がんぶろ

生存記録兼報告ブログ

富山・立山

休みです。で先日ふと「27日の休み以降はしばらくバタバタするなあ…」などと思っていたら、無性に27日の休みはがっつりと「山行」がしたくなりました。で、あれこれ思案した結果、約1ヵ月前の「無念の木曽駒ヶ岳途中撤退」のリベンジ、アルプス再チャレンジ、って事で、大阪から直通で行く事が出来る富山県は北アルプスの「立山」に登ってみよう!と思い立ったのでありました。最高地点の標高は3,015メートル!…と言いながらまあ、立山もまた木曽駒ヶ岳と同じく登山拠点の室堂が標高2,500メートル付近にあって、そこからの登山なので、実際は高低差約550メートルの山行。アルプスでもお手軽な山の1つなのであります。アルプス初心者の私にとってはうってつけ。


てな事で、富山県へは電車って手もありますけど今回はこれまた人生初の「夜行バス」で前日の晩から出発してみる事に決定。早速前日に高速バスセンターに立ち寄って切符を所望してみればなんとまあ、富山駅までの夜行バスは満席だとか。でも途中の金沢駅までなら空いているとの事だったので、致し方無く金沢駅までの切符を購入。で、金沢駅からは電車で富山駅へと行く事にしましたよ。いやあ、夜行バスって結構人気なのですねえ。まあ電車に比べると半額程度だからなのでしょう。


で、準備万端整えて前日を迎えたのでありますが予想外の事態が。定時でさくっと退社のつもりが急な残業に。ひやひやながらもなんとか片付けた後、ドタバタしながらも何とか22時10分発の夜行バスに乗り込む事が出来たのでありました。ふいー。んで、金沢駅到着予定が翌朝5時15分の「人生初夜行バス」の旅。…いやあ、案の定ほとんど寝る事が出来ませんでしたよ。まあ慣れていないから仕方が無いのでしょうけど、微妙に不快な初夜行バス体験なのでありました。でまあそんな私の不快さとは無関係に夜行バスは定刻通り早朝5時15分に金沢駅に到着。去年のこの日(→2008-07-09 - がんぶろ)以来の金沢っす。この時、「もう金沢はしばらく来る事も無いだろうなあ…」などと思っていたのに、ほぼ1年後にまさかの再訪問。しかもこんな早朝に。何だか変な感じだなあと思いつつ、1年振りの金沢駅の改札を通り抜けて5時30分発の富山行き普通電車に乗り込んだのでありました。


んで、富山駅には丁度1時間で到着。金沢と富山って意外と近いのねえ…と思いつつ、早朝6時30分、人生初の富山県訪問でございます。そしてその後はかの『立山黒部アルペンルート』にて立山へ。全部で3つの交通機関を使って室堂へと向かうのです。まずは富山地方鉄道の電鉄富山駅から電車に乗って立山駅へ。電鉄富山駅で室堂への往復切符を買って、7時25分の立山行き電車に乗り込みます。平日の早朝だと言うのに立山登山らしき人々(私含む)でいっぱいですよ。



でこれが富山地方鉄道立山行きの電車。「どこかで見たような気がするなあ…」と思っていたらなんとまあこの車両、京阪電車の払い下げなのだそう。いやあ、思わぬところで立山との繋がりがありました。んで、立山駅までは丁度1時間。そしてその後は「立山ケーブルカー」へと乗り継いで、「美女平駅」に向かいます。これがまた結構な混雑振り。改札前には長蛇の列。と言いつつもまあ1本やり過ごす事も無く、すんなりと乗り換える事が出来たのでありました。で、約7分間の「ケーブルカーの旅」を終えて美女平駅に到着。そしてここから室堂への最後の交通機関、高原バスへと乗り換えます。ちなみにこのバス、乗客の数に合わせてバスを増発してくれるみたいで、必ず座る事が出来るみたいっす。



美女平でバスに乗り込んだ時はこんな風景。雲はあるけどまあ、そこそこの「お天気」で良かったなあ…と思いつつバスに揺られて室堂までの山道を進むにつれて徐々に微妙な雰囲気に。で、約50分のバス旅の後、立山連峰登山拠点の室堂に降り立った頃には…



…ありゃまあ、ってな具合でこんな感じ。雨こそ降っていませんけど、見事にガスってしまいましたよ。一面微妙な乳白色の世界。うーむ。しかしながら初めての立山連峰の景観にしばし圧倒されてしまったのでありました。でまあ、ガスっていようがそんな事はお構い無く午前10時ちょいと前、立山連峰初山行スタート!でございます。室堂平に張り巡らされた石とコンクリートで固められた遊歩道を一路、最初の目的地「雄山」方面へと向かいます。



途中、雷鳥沢への分岐点にて、その雄山方面から下って来た山岳部と思しき団体さんに道を譲って挨拶を交わしながらお見送り。大きなザックを背負って1列でガスの中を進んで行くお姿を見送りながら思わず映画『八甲田山』を連想してしまったのでありました。観てないけど。



んで、その後程なく雄山への本格的な登山道が始まる「一ノ越」に到着。先程の遊歩道とはお別れして、いよいよ本格的な登山道の始まりです。…とは言いつつも事前調査ではこの雄山への登山道、山頂にある雄山神社に参拝するために老若男女が登る登山道って事で、そんなにキツくは無いだろう…と高をくくっていたのでありましたけど、間違いでしたよ。結構いや、なかなかヘヴィな登山道なのでした。



こんな感じで岩場のゴツゴツした、ガレ場続きで滑りやすくて、手を使わなきゃ登れないような、そんな場面が次々と。「おーい、少し話が違いますよー」と思いつつ、周りの人に負けるものかと必死でガシガシと登るのでありました。



で、そんな登山道を1時間程度登るとようやく山頂に到着。標高は3,003メートル。んで、山頂にはこのように立山信仰の中心部(?)でありますところの「雄山神社」が。1等三角点あり、御札や御守りの他に飲食物も販売している社務所あり、周囲には数多く設置された休憩用のベンチあり、おまけに社務所の横にはトイレまであり、…と言ったような誠に設備の行き届いた山頂にてしばしの休憩を。でも周囲の状況は相変わらずガスの中。でまあそんな天候ですけどお次は鳥居横からの縦走路に入って次なる「大汝山」を目指します。でその縦走路へと下ると、雄山山頂まではあれだけ見かけた人の姿が途端に見えなくなりました。いやあ、ほとんどの人はこの雄山神社に参拝するのが目的なのですねえ…などと、妙な納得をしたりして。



でそんな急に人の姿が無くなった縦走路をガスに囲まれながら進みます。岩場の尾根筋に延びる縦走路。そのワイルドさに「アルプス登山」を実感しつつ堪能する事約30分、目の先には次なる目的地「大汝山」の姿が。何だか「山」と言うより「突き出た岩場のてっぺん」みたいな感じ。もし足元ばっかり見ていて標識に気が付かなかったら、そのまま通り過ぎてしまいそう。で、その岩場のてっぺんみたいな大汝山の山頂へと岩に書いてあるスプレーの標識に従って進むのでありました。もうほとんどロック・クライミング気分。コレが妙に楽しかったりしたのですけど。



で、立山連峰最高地点、大汝山山頂に無事到着。標高3,015メートル…と書かれた標識に至近距離にて近付いてみましたよ、誰もいなかったので。周りは相変わらず白い世界。何も見えませぬ。んで、暫く誰も居ない大汝山山頂を堪能した後、すぐ横にある「大汝休憩所」の前にある屋外ベンチを陣取って休憩。で実は、ガイド本にはこの大汝山付近では『北側には劔岳の鋭い山容を望み…』とあったので、それを密かな楽しみにしていたのでした。映画で見た劔岳の姿を生で!…とワクワクしていたのですが、現実はこの通りの乳白色ワールド。ああ、つくづく運がございませぬ。んで、ガイド本はこの大汝山まで来たらその後は往路を戻るコース設定。時計を見てみれば13時頃。まだまだ時間はあるよなあ…と思いつつベンチに座って思案していると、縦走路の反対側からこちらに向かって来た私と同じく「単独登山」のおじさんが隣に。で、挨拶を交わした後に少しお話をしていると、標識に書いてあったこの先にある「富士の折立」って所はここからそんなにかからないよ、20分程度かなあ、でもガスっているから何も見えないけどねえわはは…なんて情報をいただいたので、まだまだ時間もあるのでその「富士の折立」まで行ってみる事に。んで、広島から奥さんと旅行で来て、奥さんが体調を崩されたので独りで山行をしておられたそのおじさんとお別れしてその「富士の折立」へと向かったのでありました。



でまあ、相変わらず眺望の無いガスった乳白色の世界でありますが、ひとつだけラッキーな事に遭遇。何と、初めての立山でいきなりあの特別天然記念物である「雷鳥」に出会う事が出来ました!何だか地面がガサゴソと動いている気がするなあ…と思ったら、雷鳥でしたよ。いやあ、びっくりしたなあ。んで、必死になってデジカメをズームにしてバチバチと数枚。でも慌ててしまって良い写真が撮れませんでしたよ。残念。何でも雷鳥ってのは天候の悪い時に良く現れるのだそうで…これだけは「ガスった天候に感謝」ってところですよ。



で、感動の雷鳥との初対面の後は順調に「富士の折立」に到着。標高2,999メートルだそうな。んでここも「山」と言うよりも「突き出た岩場のてっぺん」状態。ロック・クライミング感覚で『岩場の殿堂!!』とか独りで勝手に銘々しながら登ってみたのでありました。んで、ひとしきり堪能した後、縦走路のその先は「別山」の表示が標識にはありますが、もうこれ以上先に進むのは少し不安なので往路を戻る事に。



んで、小一時間で先の雄山山頂付近まで戻って来たら何と!ガスが飛んで青空が見え出してきたのであります、隊長!時計を見たらまだ14時頃。おおこれならもしかして先の大汝山付近で密かに楽しみにしていた劔岳を見る事が出来るかも!?…と思い立った末、再び大汝山方面へと縦走路を舞い戻ってみたのでありました。



…と確かに所々でガスは飛んで、息を呑む感動の眺望に遭遇する事は出来ました。縦走路からはこんな感じで黒部ダムの姿も。いやあ、綺麗でしたなあ。でも肝心の劔岳のお姿は結局乳白色のガスの中。しばし大汝山付近の縦走路に佇み、谷間からこっちに向かってせり上がってくるガスに向かって『抜けろー、飛べー』と、修験者の如く睨みをきかせて念じてみたりしたのですが…当然そんな願いも叶わず、遂に劔岳の姿を見る事は出来ずに時間切れ。帰りのバスの時間もあるので往路を戻って室堂平へと引き返したのでありました。ちなみに、登りにヘヴィだった雄山の登山道は当然ながら下山時もなかなかヘヴィだったのであります。



んで、遊歩道をてくてく歩いて15時50分頃に室堂バスターミナル付近へと到着。ガスも微妙に飛び、朝に比べて少しだけ立山連峰の姿がはっきりと見えるようになったなあ…と思いながら歩いていると、立山連峰の端っこからちょこっと顔を出す何だかやけに「見慣れた」山容が。…ん?おお、あれは劔岳!…って事で、縦走路を往復してまで待ち焦がれた劔岳のお姿を、最後の最後でチラ見する事が出来たのでありました。端っこだけですけど。うーもうちょっと近付いて見てみたいとも思いつつ、残念ながらバスの時間が近付いているのでそんな気持ちをぐっと堪えて室堂バスターミナルに。往路を戻って富山駅に到着。富山駅周辺であれこれとお土産を買い求めた後、帰りは19時50分発の特急サンダーバード50号に乗って大阪に。大阪に到着したのは23時10分でありました。


てな感じで初の北アルプス立山連峰の山行は途中撤退する事も無く、無事に終了っす。ガスって眺望が悪く、劔岳及び立山連峰の絶景を見る事は口惜しいですけどでも。その天候のおかげで雷鳥に遭遇出来たのはラッキーでした。総じて十分満足な今回の山行でありましたが当然、晴れた日でのリベンジ満々なのでありまする。