休日。天気もまあまあ。って事で、晩に飲み会の予定がありましたけど、ちょっぴり「山欲」がたまっていた(笑)ので、前回の山行から11日振りの山行に。んで、いつものガイド本から選んだのは大阪南部の「お菊山」と言う面白い名前の山をチョイス。このお菊山ってのは、
関白豊臣秀次の子として生まれたお菊は、紀州山口村の代官の嫡男に嫁いでいました。 大坂夏の陣の際、大坂城に密書を届けるために、街道を避け山路の風吹峠を越え、堀河谷から松の大木がそびえる納経山にたどり着き、ここで、お菊は、髪を切り男姿に身をやつし、無事大坂城にたどり着いたと伝えられています。しかし、徳川方の捕らわれの身となり享年20才にて処刑されるという悲しい悲話が伝えられています。
ってな由来から付けられた名前なのだそうな。でまあそんな歴史に興味があって…などと言う筈は無く、単に「行きも帰りもバスを使わずに電車だけでアクセス出来るから」と言う理由で選んだだけなのでありました。んで、JR阪和線は長滝駅からガイド本に従って登山口へ。ところが早々から道に迷ってタイムロス。池の横から延びる登山道って事でそれらしき道に入ってみたら目線の先にはゴルフに興じる人々…って感じで、間違えてゴルフ場に入りかけてみたり、辿り着いた登山口に入って早々、分岐の目印を見落としてそのまま真っ直ぐ進んでみたり…などと、道迷いから始まる山行なのでありました。ああ、情けなや。でようやく軌道修正してガイド本指定の第一目標地点、大山と言う山の山頂を目指します。ところがこれがいきなり急坂登りの連続。これが結構ハードな登りで結構へばってしまったのでありました。何だか「低山の神様」(笑)が、『おいお前、このところはアルプスだとか百名山だとか、そんな山に登り始めて我らが低山を少し小馬鹿にしてるところがあっただろ。どうじゃ、この登りは?低山とは言えども馬鹿に出来んじゃろ、おお?』と仰せになられているような気がして(笑)、思わず「あ〜申し訳ございませんでしたあ」と心の中で謝りつつ喘ぎながらその急坂を登るのでありました。んで、その急坂を何とか登り詰めるとその先は一転して平坦な尾根道に。
尾根道は所々で眺望が開けてこんな景色が。
いやあ、紅葉で「山が燃えて」いますなあ。んで、そんな眺望を愛でながら尾根道をしばらく進むと第一のピーク、大山の山頂に到着です。
大山の山頂。標高383メートル。広場にはぽつんと三角点が。眺望はありません。って事でさっさと次なるポイントの「殿尾山」へと向かいます。このあたりから登山道の両端にはビニールテープと「松茸山のため入山禁止」の張り紙がびっしりと。どうやらこの山は松茸を栽培している個人所有の山みたいで、松茸の採れるこの時期、登山道以外の場所は立入禁止に。その対策としてのビニールテープと張り紙みたいっす。でそんな「ビニールテープで指し示された登山道」を進むと次なるピーク、標高370メートルの「殿尾山」に到着です。
ご覧の通り、眺望ゼロ。その代わりにあの『ビニールテープと「松茸山のため入山禁止」の張り紙』な山頂。って事でここもさっさと撤収して、最終目的地の「お菊山」へと向かうべく、山頂の反対側に延びる登山道へと進んだのでありました…が、コレが「悪夢の道迷い」への入口だったのでありました。今までとは違って道幅の狭い道だなあ…と思いつつ、まあでも登山道の「証」でもある「道の両側にビニールテープ」もしっかりとありましたので何も疑わずに突き進んだのでありました。
まだ正規ルートを進んでいると思い込んでる途中での眺望っす。これ以降だったでしょうかねえ、次第に両側から松の枝やヤブ笹が道を遮って、それをかき分けて進まなきゃならないし、蜘蛛の巣は頭に付くしで「何だかえらく荒れた道だなあ、余り使われていない道なのかなあ…」と思いつつもそのままガシガシと下るうちに、どう考えても下り過ぎな状況に。ここでようやく「もしかして道を間違えたかも?」と思いましたけど、もうここまで下りてしまったら今更引き返すのも…と思ってとりあえずこの道を下り切ってみる事に。その結果…最終的には道と言えるようなものは無くなって山肌の斜面に。んで、その斜面を必死に下って辿り着いた先は、柵で囲われた畑でありました。当然携帯するガイド本のコピー地図にも記載の無い場所。微妙に焦りつつも柵を越えて何とか目の先に見える道に辿り着いてみたらラッキーな事にその道は近畿自然歩道で道端には道標が。で、その道標に「笹峠」と言う見覚えのある名前が。先程までの道標にも見かけた名前ですよ。でとりあえずその「笹峠」に向かう事に。
「笹峠」へと向かう道中から先程下山した畑を。はい、山の斜面を駆け下りて、あの段々畑の上の方に漂着したのでありました。
で、程なくその「笹峠」に到着。んで、この手作り道標の他にも道標があり、その一つには目指す「お菊山」の名前が。って事で、かなりのタイムロスながらもここから改めて「お菊山」を目指します。で、再び登山道を登って行くと何だか前に通った道と似ているような気が。あれ?変だなあ…と思っていたら、先程の「殿尾山」に向かう道中で見たのと同じ道標が。…はい、再び殿尾山へ向かう道に舞い戻っていたのであります。自分は別の登山道を登っている思い込んでいたので、先程の道に戻っている事に気が付いた時は、何だか「ブレア・ウィッチの外に出られない森」みたいでぞっとしたのでありました。でまあ、少々ゲンナリしつつも、タイムロスの元凶となった殿尾山へと再び向かったのでありました。
で、順調に本日二度目(笑)の殿尾山に到着。はい、先程はこの道標の示す左方向にある山頂に登って、そこから延びていた登山道を下ったのです。でも「お菊山」へと向かう正しいルートは頂上から一旦この場所に戻って、前方に続く登山道へと進まなきゃいけなかったのでした。でもガイド本には「一旦戻って」とか、そんな事は書いていなかったし。ぷんすか!…などと微妙に怒りつつ、その正解らしきルートを進むと当然ながらお菊山への道標がしっかりと。くそーと思いながら、微妙に夕方っぽくなりつつある中を少しだけ足早に進むこと小一時間、ようやく最終目標地点の「お菊山」の山頂に到着です。
はい。コレがそのお菊山の山頂。山頂広場には立派な石碑が。
そしてその山頂広場からはこんな眺望が。紀泉方面の山からはお馴染みの「関西空港を臨む眺望」がこのお菊山からも拝む事が出来るのでありました。でもそんな眺望をのんびりと愛でられるような時間も無い状況になってしまったので、少しだけ休憩した後にすぐさま下山開始。道も間違えず(笑)順調に下山して終着地点の新家駅へと無事に辿り着く事が出来たのではありますが、駅に到着した頃には日もとっぷりと暮れていたのであります。いやあ、何だかあれこれと小さな不運が重なった山行でありました。とほほ。