がんぶろ

生存記録兼報告ブログ

どろり(ノルウェイの森)

本日はかの村上春樹原作の映画化作品「ノルウェイの森」を鑑賞…などと言いつつ実は私、その「村上春樹作品」を一切読んだ事がありません。まあ自称「ミーハー」な私でありますので、昨年から今年にかけて超話題になったコレ→ 1Q84 BOOK 1 が世間に氾濫していた頃、その「ミーハー心」がむくりと起き出して、書店にずらーっと並ぶ村上春樹の諸作品のどれかを読んでみようかなあ…などとも幾度か思ったのですが、結局その「ミーハー心」も徐々に癒えた(笑)結果、実行に移す事は無く今に至る…ってな感じです。


そんな原作を全く知らない私ですけど、「原作ファンにもなかなかの高評価」ってのと「映像が美しい」って言うこの映画の評判が気になったので観てみる事に。んで、いざ鑑賞してみたら、その「愛憎ドロドロで不条理な世界」に唖然…でも何故かその世界に引き込まれてしまう…ってな感じでした。いやーでも何かそんなんでもないなあ、ちょっと格好付けてる感想だよなあ…と、その「感想の述べ方」についてモヤッとしながらこの作品を評する幾つかのウェブサイトを見ていたら、私のそのモヤッとした部分をどストライクで表現してくれているモノがありました。コチラです。(↓)


asahi.com(朝日新聞社):ノルウェイの森は不思議の森 - 小原篤のアニマゲ丼 - 映画・音楽・芸能


んで特にその中での、

…原作は、セックスにまつわることをあけすけにポップにカジュアルに語るところが新鮮だったのですが、生身の役者がこれをそのまま「指とか口でやってあげてたの」とか「なかなかうまいね」「いい子だからだまってて」とか「そそり立ったのを私に見せつけるの」と折り目正しく話すのを聞いているのは、どうにもお尻の当たりがムズがゆいというか、口の端がヒクヒクしてしまうというか(※個人の感想です。効果には個人差があります)。文字と声じゃあ違うもんなんですね。これでは、七三わけのマジメそうな男女が翻訳口調でエロボケな会話をしている珍品に……(※個人の感想です! 効果には個人差があります!)

とか、

…私と来たら映画を見ながら「ワタナベっていろんな女に言い寄ったり言い寄られたり『俺の空』みてえ!」とロクでもない感想をノートに書き込んでしまいました(私はノートにメモをしながら試写を見るのです)。ナンパした女の子やゆきずりの女の子とポンポン寝るのだって原作通りなんですけど、まさか「ノルウェイの森」を見て「俺の空」を連想するなんて!

なんてトコロを読んだ時に『おーそれそれ!』と、私の抱いていたその「モヤッとした部分」をスパッと代弁してくれたようで、思わず大きくうなずいてしまったのでした。いやあ、「ノルウェイの森」って、こんなに『どろり』とした内容だったんですなあ。でも何故かこの映画のおかげで原作を読んでみたくなったので、文庫本を購入しようと思います。ブックオフで。(笑)


あともう1つの「観てみたくなったポイント」の「映像の美しさ」はめっちゃ良かったです。初めて観ましたけど、その「映像美」に定評があると言う、ベトナム出身のトラン・アン・ユン監督…流石でした。