がんぶろ

生存記録兼報告ブログ

「備前焼」的な

ふらりとタワレコさんに立ち寄ってみたら、あの「澤野工房」さんの新譜でこのロジャー・ゲラン(tp)の作品がCD復刻されていてびっくり、ここ最近は滅多にCD、しかも2,500円もするCD(笑)なんて買いもしなかったのに、思わず買ってしまいましたよ。いやあ、このレコードはその昔、ジャズを聴き始めの大学生の頃に、そこに載っているレコードを片っ端から探し集めて聴いていた、私の「ジャズのバイブル」のひとつでありますところのジャズ批評の「ハードバップ特集」号に『ベニーゴルソンのオススメレコード』として載っていたレコードだったのでありました。って事で、当のロジャー・ゲランってラッパ吹きなんて全く知らないのですが、「あのバイブルに載っているレコードなんだから、エエに間違い無いっ!」って事で、このジャケット画像だけをしっかりと目に焼き付けて中古レコード店巡りをしていたのですが…一向にお目にかかれない。んでよく調べてみるとこのレコード、いわゆる「希少盤、レア盤」の部類でして、ああそりゃもう聴く事はおろか、姿を拝む事すら難しいわなあ…ってな存在のレコードだったのでした。


そんなレアなレコードがCDになって復刻してたんで、喜び勇んで即買い。裏面のライナーノーツを見てみると、「ステイブルメイツ」に「モーニン」に「ブルース・マーチ」に「アイ・リメンバー・クリフォード」…とまあ、「ベタ」なまでに超メジャー級な「ゴルソン・チューン」がてんこ盛りであります。んで、帰宅後早速聴いてみました。…いやあ、渋いっすな。1958年録音だから、恐らくメッセンジャーズの欧州公演のついでにレコーディングしたであろうこのレコード、テナーがゴルソンでピアノがティモンズだからもう「ほぼメッセンジャーズ」なのですが、本家に比べるとめっちゃクールで渋い仕上がり。まるで「備前焼」のような渋さ加減を感じるレコードでありました。なんかね、昔のジャズ喫茶でよくかかってそうな印象。でもって、かかった途端に「おっ!」と思うようなヤツじゃ無くて、最初はそんなに気にならないけど、徐々にじわじわと気になって来て思わず『Now Playing』のトコロに立てかけてあるレコードジャケットを見てしまうような…そんな「渋〜いハードバップな作品」でした。